ブラジルは町に音楽があふれていた。
あの楽しそうなブラジル人の音楽の輪。中に入ってみたかった。
パンデイロとアコーディオン片手にその中に入れてもらった。
この楽しい音楽の輪、自分で作り出せるようになりたい。
そして一人、旅に出た。
緯度5度付近、ビーチが美しい町、フォルタレーザ。
あてもなく「ブラジル音楽を勉強したい。」と、町を尋ね歩いた。
町の人たちは、こんな私の突飛な行動にも、あたたかく手をさしのべてくれた。
町を訪ね歩いて3日目、町の音楽教育施設で講師をしていたルイジーニョというドラマーと出会った。
私は彼の演奏をCDで聴いたことがあった。
包み込まれるような暖かさと、まか不思議なキレのあるリズムに仰天していた。
偶然の出会いに本当に興奮した。
それから、彼と彼のバンドの演奏するところ、すべて見て回った。
朝7時からの学校の授業、レコーディング、リハーサル、コンサート......
そんな私を、彼らの仲間が受け入れてくれ、休日は、海辺でショーロを演奏して楽しむようになった。
心地よくてたまらない彼らと作り出す音楽の輪に、自分の居場所を感じることができた。
そして、ここから、私たちの音楽が生まれた。
なんだかごきげんになってしまうリズム。
楽しくて思わず口ずさんだメロディー。
たまらない気持で気づいた体の中の音。
体に気持ちよく響くハーモニー。
休日の朝に聞きたい、心地よい音楽。
サンバ、ボサノバ、ブラジリアンジャズフュージョンバラード、
ノルデスチのかわいらしいリズム
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